星の琴線*きおくのきろく

ときに濃厚に、ときにふんわりと。感じたまま見たままに綴る空想的ノンフィクション。

乾いた少女

その少女は干乾びていた。

 

植物の蔓のようなものに覆われたその奥
薄暗い空間に、少女は横たわっていた。

 

 

いつかの日に少女を幽閉したものがいたのだろう。
しかしその張本人もやがて居なくなり、
そこに横たわるものがあることなぞ遥か昔に誰からも忘れられ、
少女は生きたまま乾いていったのだった。

 

この宇宙では決して珍しいことでは無い。

 


彼女自身の欠片が、彼女を閉じ込める鍵となっており
そうなると欠片の気を逸らしているうちに、救出は遂行されねばならない。

 

少しの刺激で細かく散ってしまいそうな体は
細心の注意のもと運び出された。

 

 

そして今は、この修復ルームに横たえられている。
乾燥した体にうっすらと温もりが戻り始めているのが見て取れた。


閉じ込められた故に幼いままの姿も
変化し、やがて大人の姿になるだろう。

 

 

それまでは、まだこの隔離された空間に居てもらうことになる。


が、そこはもう閉じられてはおらず
欠片たちのゲートへと通じ、その交流は既に始まっているのだった。

 

 

 

 

 

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