星の琴線*きおくのきろく

ときに濃厚に、ときにふんわりと。感じたまま見たままに綴る空想的ノンフィクション。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ソウルといういれもの

意識の渦が その焦点をいくつも作り出したのはしごく自然発生的な、発し続けられる律動の結果としての現れだった。 それとは別に他動的に行われるものもあった。それらは焦点にカタチを与え、頑丈なスーツのように機能しどこまでも深く潜ることが容易くなり…

ある日の呟き。細かく指導が入る。

彼を見るのは、ここのところこのアンティークでコジャレタ図書館が多い。 彼が居る、というより彼のホログラムであったり、決められた法則で反応している再生データを見ているようでもある。 リアル登場はなかなか叶わないことなのだろうか。仕方ない、違和…

乾いた少女

その少女は干乾びていた。 植物の蔓のようなものに覆われたその奥薄暗い空間に、少女は横たわっていた。 いつかの日に少女を幽閉したものがいたのだろう。しかしその張本人もやがて居なくなり、そこに横たわるものがあることなぞ遥か昔に誰からも忘れられ、…

次に見るもの

アンティークな調度品で整えられ柔らかな光で満たされた図書館の一室に彼は居た。 以前に見た、データが入ったBOXがいくつも積み上げられた無機質な空間と違いそこは居心地よく設えられた空間だった。この場所は、彼や私を含む全体の情報が置かれていると…

違和感を残す

何処かの過去生の自分 何処かの世界の自分 それらは同義語 そんな自分が ここの自分の中で重なって在る時間がある。 キッチンでフライ返しを持つ自分の髪が揺れる時そちらの自分の髪も揺れている。 同期しているのは、動きだけでなく 記憶や感覚、思う事も同…

ハーモニー

彼はいま、他の存在にその身を委ねていた。 その次元では、他の存在とエネルギー的にも濃く交わる時は互いのどちらかの回復に手を貸す時であった。 相性などはあるが、特定の相手が決まっているわけではなく、必要としている存在と、提供できるものがおり当…

王の場所

どこの層にも、アセンションを推進しているこの機関である集合、組織は絡んでいる。 そんな、アセンションに大きく関わっているのならディセンションにも深く噛んでいるであろうこの組織の存在感が薄く遠くなる領域がある。 その領域での存在はたちは、独り…

お見送り

金色に輝く 光の帯に導かれ その 陽だまりのように暖かな 道を 昇る 笑顔 の 満ち足りたこと。 生まれる前に 贄となり 屠られ 結界と共に 封じられた 命の 還るところが また 生まれいずるところより 星の軌道を越え 遠くへと伸びていればと 新たな旅に着け…

じーさんキャラ

果たして、神さまとはじーさんみたいななりのだろうか? 確かに このじーさんたちは 全く笑っていない目でニコニコしながらいろんなものを 生みだしたりはしたが 眼光鋭く渋めの面持ちでもっともなことを述べたりはするが 神さま ではない。 まず 神さまって…

近況

ここは 宇宙の外れ。 いや、宇宙の外れというのもオカシイか。 あまり騒がしくない比較的静かな場所、というのが近い。 ○○群や △△群 ××群からも遠く離れている。 これらの群に属することを好むものもあれば苦痛とするものもあり 属する時期もあれば 敢えて離…

ハコ

ハコに戻るのは存外簡単だ。 普通にボンヤリと暮らしていれば、気が付けばそこはもうハコの中だ。 普通にしているのが悪いのではなく普通にだけしていると、ハコに誘われやすい仕組みになっているから、だ。 ハコの中というのはやはり窮屈で、オトも聞こえづ…

動く

この領域は、全体の中の管制官のようなものだ。 そしてそこと多くの時間を交わすのかどうかというのは個体の性質から発するベクトルと、その瞬間の個体の状態、個体の居るセカイの状況を掛け合わせたところから決まって行く。 その管制官的領域の彼は今、お…

春の花のように

君もわたしも 消えるだろう たたまれた宇宙から 永く 瞬く間の 時空を経て また 静かに生まれ飛び立つ蝶の姿。 それはもう、 わたしたちとは云い難く 今までとは違うのだ。 そう言って一足先に消えた彼から ようやく午後の穏やかな光と共に届けられたものは…

ハートの装置

彼は説明を続けた。 ハート自体が 次元を越えて繋がる為の装置だ。 製造元の意図に基づいた 多種な機能が装備され越えない為の制御装置も搭載されている。 これを使いこなす為のマニュアルは、どのルートで装着したかにより違ってくる。大きく分けて二つのル…

触れたら

彼女が好きな場所は 触れたら 懐かしさと 朝陽のような温かさに涙が溢れてしまう場所 律動が 調べとなりそれ以降へと波及していくセカイ 柔らかな絹のような波が 寄せては返し 宇宙の呼吸のように 満ちていくセカイ 花のように 現れ揺れては香り 寄り添い在…

彼が想い出せないもの

彼の恨みと怒りは治まることがなかった。 毎日欠かさず何キロも歩いて、急な岩ばかりの山を頂上まで登り、天を仰ぎ唾を吐いていた。 山を降りると、泥でできた貧相な家に籠り誰とも関わらず生きていた。 彼は本意でなかった経緯で今があることを深い部分に刻…

ルール

ルールとして アトラクションを楽しむための ルールとして記憶を閉じて 投下した。 そう、あくまでも沢山ある「ルール」のひとつであり自分に「必要」であるかどうかは 別の話し。 また、アトラクションを楽しむことを目的としない場合もこれに沿わなければ…

隣り合うふたり

垣間見た、自分とソースを同じくする欠片のセカイはこちらと同じ時間軸のような感覚で存在していた。 やがて、自分という認識は無いが確かに同じ欠片同士である彼も こちらが見ていることに気づいたのだった。 アイコンタクトならぬ ハートを通じて交わす会…

聖域

優雅に装飾された何本もの大きな柱に支えられた白く巨大な建造物の前の階段に彼は座っていた 建物と同じく彼にも色は無く その目元には 優し気な光が射してはいるが一見すると 冷たく感じるような面立ちと空気感である。 この場所にはあらゆるセカイの記録が…

整える時間

特別よく何かをしたようだ という時や 大きな調整が入る時に微睡んでいると 宇宙船の中に居ることがある。 という感覚になる、という理解でも。 今回は、白いコクーンの中で休んでいたようだ。 宇宙船の中の部屋は(もっと他の表現の方があっている気もする…

重なり共に動くセカイ

自身の内側深く降りていくとき いくつもの層を感じることもできるだろうけど そこも気にとめず ただゆったりと静かに その空気感を撫でながら 深く深く入っていく。 微かな温もりを捉えたら それは 内から外から と セカイを拡げ 時にさり気なく 時に圧倒的…

ハイリスクハイリターン

そこに行こうと思ったのは 決して好奇心からではなかった。 それには、リスクがあまりに大きすぎて割に合わない。 自分たちのしでかした後始末。 端的に言えば、そんなところだ。 ここに来るずっとずっと前の段階 「ソウル」といういれものを纏ったときに起…

プロテクト

例えば、自分の身を守る時には 幾通りもの所作が 「詩」 のように織り込まれている。 時には、 魔物と呼ばれるような異なる種族の侵入を拒むとき、 彼らの好物と心地よい暫しの眠りが用意されたり 時には、 自分を囲む光に「自分の個性」の賛美が縫い止めら…

シャボン玉に乗って

自分の周りを シャボン玉のように透明で薄い膜のようなものが囲んでいる そこには あらゆる景色が映し出された 2次元的な映像のようでもあり臨場感ある 4D画像のようでもあった。 どちらにしても 自分が居るのはその景色の中ではないということがわかって…

透過させる微細な響き

城の中か船の中なのか 壁いっぱいの大きな窓も柱も 高く 見上げた先は 天井の 小さな光が瞬く碧の中に消え足元にも 同じように 深淵な藍の世界を湛えている そんな大広間があった 自身の純度を更に高め澱みない響きを 内に多次元のゲートを透過させ また 空…

星を見る少年

その少年は星を見ていました。 星を見て そこから送られてくるエネルギーを管理するのです。それが彼の仕事でもありました。 かつて天上にある星々は 少年のように地上に住むものにとって身近にあり実際にサポートしてくれるものだったのです。 そして一方的…

打たれた杭は自分で抜いて自分で持っていく

ここに来たのは もう何度目かもわからない この星の片鱗が誕生したばかりでまだカタチも定まっていなかった頃、 様々な種族が入植し、こぞって実験を始めた頃、 打ち捨てられ 流刑地となった頃、 そのずっとあと。 あらゆる層で あらゆる姿で関わった。 そう…

ある晴れた日に

ふと見上げた 空と風の間に 透明に広がる福々しく 柔和な笑顔と目の奥に宿る 決して 甘くはない光 初めて出逢う顔と歩きながらやりとりをするのは 求める手助けと それに対する断りとならばと 差し出される引き換え案件にでしたらと 返す 最終条件 互いの対…

深い海

深い海がある。 濃厚なエネルギーに満ち 羊水のように 温かく けれども 生命の律動が希薄な 海だ。 纏わりつく宇宙(ソラ)のような静けさの中を ついとこのセカイの住人が渡っていく。 圧の存在を感じさせないほどに優雅にその身を翻して。 この音の無いセ…

船にて寛ぐ

もともとクルーの多い船では無かったが 今はほとんどいつも独りだ。 居る場所も、大方決まっている。 心地よく整えられあえて「生活感」という不必要かつ 「本来は無いもの」が導入された場所で寛いでいることが多い。 外では嵐が吹き荒れていた。 その中に…