星の琴線*きおくのきろく

ときに濃厚に、ときにふんわりと。感じたまま見たままに綴る空想的ノンフィクション。

水晶の星

そこにあるのは 鉱物のような形態の ものたちだった。

動かず、時にほのかに揺れる光を放ち

音もなく歌うように声をかけあう。

 

そんな存在が、このセカイの住人だった。

 

彼らは 彼女たちは

動かず自ら何かをするという意志をあまり持たないため

容易く採取され 移植されていった。

 

映されたのちも 彼らの性質は変わらない。

 

微かなゆらぎで歌い、自発的意思を持たず、ただじっと

風を 宇宙(そら)を 星を 受け止め

ただ ただ 僅かに

首をかしげ それらを見つめ続ける。

 

それが、彼らの在り方だった。

 

 

 クリック応援していただけると励みになります