星の琴線*きおくのきろく

ときに濃厚に、ときにふんわりと。感じたまま見たままに綴る空想的ノンフィクション。

命懸け、ということもある

 

命懸け  ということもある。

 

 


彼は自分のシップにある、白い部屋にいた。
この船の「回復室」であり、中心部の近いところにある。
つまり、彼自身の中心近くにあるということだ。
船は彼自身なのだから。

白い部屋にポツンと出現している
縦長な空間に彼は横たわり
段々と心地よさへと移って行く気怠さに身を任せていた。

彼はよくこの部屋に様々なものたちを招き入れた。
小さくコロコロと可愛いものから
大きな図体で、のっそりと動きながら押しつぶしにかかるもの、
大暴れで身体についた泥を部屋中に巻き散らかすものまでいろいろだ。

だいたいは、酷く汚れておりそんな自分の姿に怯え
一時的に我を見失い途方に暮れているものたちだった。

(深い悲しみに閉じこもり傷ついたものたちは
また別の部屋へと誘った。)

 

そんな白い回復室で、今は彼がその身を癒していた。

「 自分が一番手強い 」

彼ら自身の内側から溢れ出す 「絶望」や「虚無」は全体を駆け巡り循環し
強い繋がりへと大きな影響を及ぼす。

だから

命懸け  ということもある。

互いに干渉し合い タイムラグはありながらも共に窮地へと落ち
また共に 浮上していく。

在り方のスタイル、どこが正常に機能しているのか、補完関係や、
製造元がどこなのかで多少の違いはあるが。

 

彼は
かつてこの部屋に招き入れたものたちとの
エピソードを
微笑ましく思い出しながら

お互いさまな 命懸けのあとの午睡を貪るのだった。

 

 

 

 クリック♪応援していただけると励みになります☆彡

にほんブログ村 哲学・思想ブログ チャネリングへ
にほんブログ村