星の琴線*きおくのきろく

ときに濃厚に、ときにふんわりと。感じたまま見たままに綴る空想的ノンフィクション。

Gのストーリー

動く

この領域は、全体の中の管制官のようなものだ。 そしてそこと多くの時間を交わすのかどうかというのは個体の性質から発するベクトルと、その瞬間の個体の状態、個体の居るセカイの状況を掛け合わせたところから決まって行く。 その管制官的領域の彼は今、お…

ハートの装置

彼は説明を続けた。 ハート自体が 次元を越えて繋がる為の装置だ。 製造元の意図に基づいた 多種な機能が装備され越えない為の制御装置も搭載されている。 これを使いこなす為のマニュアルは、どのルートで装着したかにより違ってくる。大きく分けて二つのル…

船にて寛ぐ

もともとクルーの多い船では無かったが 今はほとんどいつも独りだ。 居る場所も、大方決まっている。 心地よく整えられあえて「生活感」という不必要かつ 「本来は無いもの」が導入された場所で寛いでいることが多い。 外では嵐が吹き荒れていた。 その中に…

命懸け、ということもある

命懸け ということもある。 彼は自分のシップにある、白い部屋にいた。この船の「回復室」であり、中心部の近いところにある。つまり、彼自身の中心近くにあるということだ。船は彼自身なのだから。 白い部屋にポツンと出現している縦長な空間に彼は横たわり…

13番目のセカイ

彼がその窓から覗いているのは 13番目のセカイだろうか。 「 まあそれにしても 随分と育ったものだねえ 」 既に在るものは 厳密には決して消えてしまったりはしない。 痕跡は、必ず残るもの。 どうしても無かったことにはならない。 影響はついてまわる。 …

希望とは冗談みたいなもの

何度眺めても同じものとしか思えない けれども今しがた届けられた新しい報告書の束を 無造作にテーブルに放り出し、 いつものようにその上で足を組んで大きく伸びをする。 彼のいるセカイは、どこの軸にも行く事が容易く、 彼自身はそれを得手としていたため…

駆ける彼

彼の別名は 韋駄天、もしくは strider(足早に大股で歩く人)なのではないだろうか。 というほどに、彼はその広い活動領域をいつも駆け抜けている。 神出鬼没。 どこにでも、行く。 プロジェクト全体の中で、 細かく分かれた段階を管理、運営している…